(写真:Yogesh K Shah/Shutterstock.com
  • イスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃した10月7日以降、イスラエル軍は報復としてハマスが実効支配する「ガザ地区」への攻撃を強めています。
  • 民間人の犠牲が多く出ている「ガザ地区」の情勢は、いま国際世論を大きく動かしています。
  • そもそも「ガザ地区」とは、どのようなところでしょうか。やさしく解説します。(JBpress)

「ガザ地区」はどこにある?

「ガザ地区」は、地中海・イスラエル・エジプトに挟まれた全長約40km、幅10km前後、面積約360km2と種子島よりやや狭い地区です。人口約222万人のうち多くの人が北部の「ガザ市」に住んでおり、ガザ市の人口密度は1km2あたり1万人を超え、世界でも人口密度が高い地域の1つとなっています。

「パレスチナ」と呼ばれてきた地域の南西部に位置し、古くは港町として栄えていました。パレスチナとは、地中海の東の沿岸から、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の聖地であるエルサレムを含む中東の一部地域を指します。

エルサレムにあるユダヤ教の聖地「嘆きの壁」(手前)と、イスラム教の聖地である黄金色の「岩のドーム」(奥)。2008年撮影(写真:CAMERA PRESS/アフロ)

 現在、「ガザ地区」には主にイスラム教を信仰するアラブ人が住んでいます。人口の98〜99%がイスラム教徒で、スンニ派と呼ばれる人たちです。平均年齢(中央値)は18歳(日本は48歳)で、人口の4割程度を14歳以下の子どもが占めています。

 パレスチナは16世紀以降、オスマン帝国が支配していました。第1次世界大戦中に、イギリスがいわゆる「3枚舌外交」を展開したことが、現在に至る民族対立の火種となっています。