日本では年間600万トン以上の食料を廃棄している。それは国連世界食糧計画(WFP)による食料援助量約390万トンの1.6倍にもなる(©UNITED PEOPLE)

 新型コロナウイルスの影響で、全国各地の食品生産者、販売業者、飲食店など食に関わる事業者から悲鳴が上がっている。外出自粛で多くのイベントがキャンセルされ、飲食店の利用も激減する中、買い手がつかずに各地で在庫が積み上がっているのだ。その中には廃棄せざるを得ない食品も無論ある。毎日飛び込んでくる各地からのニュースを歯がゆい思いで見ている。

「もったいない」を「しかたない」で済ませない

 昨年、日本では食品ロス削減の機運を高めるいい動きがあった。2020年10月1日に食品ロス削減推進法が施行、10月30日が食品ロス削減の日と定められることが決まったのだ。いよいよ全国的に食費ロス削減の取り組みが今年は加速していくはずだったが、逆に新型コロナの影響で、業務用や給食向けなどの食材は食品ロス増加傾向にある。

「外出自粛で飲食店向けの業務用食品の出荷が止まっている。ホテル向けの高級ジュースなどもほぼ動かない。あと、お土産物や地域限定ものも在庫が動かない」

 食品ロス削減のために商品を販売している社会貢献型ECサイト、KURADASHIを運営する関藤竜也社長はこう述べる。飲食店などからの新規の問い合わせが直近では3倍ほどに急増している一方、そういったワケあり商品を求める新規会員も同じく増加しているという。

 本来は食べられるものが捨てられていく現実は「もったない」ことであり残酷でもある。この「もったいない」状況を「しかたない」で済ませず、解決していくことは現代を生きる私たちの責務だ。

 戦後日本は、高度成長期を経て「飽食の時代」を迎えた。飢えることはなくなり、むしろ日本全国のみならず、世界中から集まった食材を当たり前に食すことができると同時に、大量に捨てる時代になった。

 それには、経済的に豊かになったという以外の理由もあるのだろう。もともと生き物である動植物が、トレーにのり、パッケージ化され、スーパーで売られる姿を見て、私たちはそれらが命であるよりも、お金で買う「商品」だと認識するようになった。そして、金銭的に豊かになった私たちは、自分で買った「商品」を、様々な理由で簡単に捨ててしまう。姿形が悪いものは買うことすらない。例えば、まがったキュウリや傷のついたトマト。買い手がつかなければ流通すらしない。どこか間違ってはいないだろうか?

WFPの食料援助量の1.6倍の食品を捨てる日本

 気がつけば、日本はまだ食べられる食料を年間600万トン以上捨てている。この量は、2018年の国連世界食糧計画(WFP)による食料援助量約390万トンの1.6倍にもなる。「国民一人当たりお茶碗一杯分」の食べ物が毎日捨てられている計算だ。この現実を放っておくことはできない。

 そこで、一念発起してオーストリア人監督ダーヴィド・グロスと制作した映画が『もったいないキッチン』だ。2017年に企画し、3年の歳月をかけてこの4月に完成させ、8月に劇場公開となる。

もったいないキッチン(予告編)