今からちょうど17年前の1994年4月に、日本では地ビール製造の規制緩和が実施された。これによって、日本列島は地ビールブームに沸いた。この時、日本各地で続々と誕生した地ビールメーカーを取材したことがある。

いざという時の赤門ネットワーク

今週のランキング
順位 タイトル
1 放射能汚染列島ニッポン、本当の恐怖はこれから
2 大震災の経済学、ほら吹き学者の重い罪
3 被災者に余計な不安を与えたフランスからの助言
4 東日本大震災で、世界から贈られた言葉
5 津波とセネカ、そしてサムライの倫理
6 10年後にまた来て見てくれ
7 スイス人が大仰天、日本人の規律・礼儀正しさ
8 これほど日本人がカレー好きなのにはワケがある
9 日本の大災害:指導力の危機
10 頼れるどころか、もはや「有害」な日本の震災報道
11 一体どこから来るのか、自衛隊員の半端ではない使命感
12 東日本大震災、気味悪いほど温かい韓国
13 ガンバローニッポン!!
14 大災害の爪痕 ~FT現地ルポ(1/3)~
15 福島原発、軽視された安全性リスク
16 東北の仲間が頼んできたら「言い値で、最優先でやってやれ」
17 政府高官も近隣住人も米国人は日本が心配
18 被災地の美談記事の作り方、教えます
19 新幹線もジャンボジェットも大丈夫!町工場で生まれた「ゆるまないネジ」
20 このままでは世界経済がドミノ倒し、被災した半導体産業を救え!

 しかし、取材の中味は当時のノートをひっくり返せば蘇るかもしれないが、記憶としてはほとんど失われてしまった。ただ1点、強烈に覚えていることがある。

 九州地方のある社長が放ったこの一言である。

 「今までほとんど恩恵らしい恩恵を感じたことはなかったのですが、お酒に関する免許をいただくに当たり、これほど出身大学の効果があるとは思いませんでした」

 通常のルートではなかなか認可が下りない。そこで藁にもすがる思いで、大学の友人を手繰り旧大蔵省(現財務省)に勤めるお役人に頼んでみたというのである。

 結果はとんとん拍子で認可が下り、九州地方の中では1~2位を争うような早さで地ビールメーカーになることができた。

 すでに読者の方がご想像の通り、この社長は東京の文京区にある赤い門が有名な大学を出ていたのである。

 日本人は時として中国を法治国家ではなく人治国家だと嗤う。しかし、恐らくそれは五十歩百歩という中国の故事に裏書を与えるようなものでしかない。

 さて、先日、海外にある日本の商工会議所としては最大級の商工会議所で幹部を務める人とお会いする機会があった。その方から、海外にいないとなかなか見えない日本の実情を聞くことができた。

 昨年8月、日本の外務大臣は尖閣諸島問題や貿易面では円高問題がかまびすしい時にインドを訪問した。そのついでに、外務大臣が立ち寄った国がある。