日本の大地震は韓国でももちろん超特大のトップニュースだ。主要テレビ局は地震発生直後から、日本からの生々しい映像を特別番組で伝えた。翌日の土曜日には各局とも数十人規模の特派員団を送り、大々的な報道が続いている。
津波報道を食い入るように見る韓国人
多くの韓国民は、大地震発生当日から続いた生放送の特別番組を見て、衝撃を受けた。津波で都市があっという間に流される様子に、日本人と同じような衝撃を受けた。週末に自宅にいた多くの韓国人は、テレビ画面を食い入るように見ていた。
韓国メディアは一般的には、日本に対しては「辛口報道」が多い。しかし、さすがに今回ばかりは、地震と津波、さらに被害規模のあまりの大きさに、悪意に満ちた報道は全くと言っていいほど見られない。
「日本の危機は韓国にとってチャンス」というような日本人から見れば不謹慎だが、ここ韓国なら出てきてもおかしくないような報道ぶりも、ほとんどと言っていいほど見られない。
韓国での報道は、まずはテレビの生放送など、地震と津波のすさまじさをそのまま伝えることから始まった。その後、復旧作業が始まってからは「現地ルポ」が主流になったが、その多くが、大惨事に直面した日本人の対応ぶりに関心を集めている。
「迷惑」――今回の大震災を機に、韓国ですっかり定着した日本語だ。
大惨事にも秩序を維持する日本に驚嘆
大きな被害に遭って大変な苦労があっても、日本人は、避難所で、商店で、きちんと列を作って静かに並び、常に他人に配慮しながら行動する。
「他人に迷惑をかけないことの重要性を、日本では幼い頃から家庭や学校で教育している。だから、あんな惨事が起きても秩序が維持され、それどころか、自分も大変な苦労をしているのに他人を助けようとまでする。日本で今起きていることは、驚嘆すべきことだ」
韓国のメディアは連日、こうした報道を続けている。一方で、日本の政府や自治体の対応に疑問を投げかける報道もある。
ある韓国の大手新聞社の部長は「現地に派遣した記者から、原子力発電所関連の発表があまりに少なく遅い、という不満が毎日聞こえてくる。被災地への物資輸送もどうしてこんなに時間がかかるのか、という声を聞く」と明かす。