「といち」という言葉で、意味が通じるだろうか?

 「十日で一割(とおかでいちわり)」だから「といち(十一、じゅういち、ではない)」非合法な闇金融の利率を端的に示す数字だ。

 で、こういうことがうまく分からない人がいるらしい・・・と言うより、少なくないらしい日本国の現状であることが分かってしまった。

 何のことか・・・? 「放射線量」の話である。

時間微分と積算値

スウェーデンの物理学者ロルフ・マキシミリアン・シーベルト。彼の功績によって1979年に被曝線量当量の単位であるシーベルトが定義された(写真はウィキペディア

 様々な情報が駆け巡っている。ここではその具体を云々はしない。考えたいのは「シーベルト」と「シーベルト毎時」という単位の混乱だ。

 すでにこの問題については様々なところで言及してきた、というか、言及以上に直接メディアの誤報修正も、一定の範囲で手伝ってきた。

 先々週、福島第一原発第1号機が水素爆発した直後には、NHKの解説委員が生放送のアドリブで放射線量について明らかに誤った内容を「解説」しているのを見た。

 知り合いに直ちに連絡するとともに、チェック機構の確立を勧め、私自身はツイッターで時々刻々の各局のミスを修正するということを、そのあと延べ60時間ほど継続した。

 タイムラインがすべて残っているが、あまりに初歩的なミスが多いので、途中多くの局はチャネルを合わせることをしなくなったほどだ。

 いまさらながら、一応おさらいしておこう。「シーベルト」というのは放射能が人間の健康にダメージを与える目安として、疫学統計的に定められた便利のための単位だ。

 非常に乱暴に言えば「総計1シーベルトの放射能を浴びれば死ぬ」と覚えておけばいい。瞬時には死なないかもしれないが、かなりの高確率でガンなどの重篤な疾病が懸念される。