2020年のデータセンタの消費電力量

 GREENPEACE 2015の資料によれば、データセンタが消費する電力は、2015年に0.4162kWh、2016年に0.4745kWh、2017年に0.5409kWhだった。ところが、2020年には、2015年の4.7倍の1.973kWhになると予測されている(図6)。これは、世界の電力量の6.6%、日本の電力量の約2倍に相当することになる。

図6 2020年のデータセンタの電力消費量(予測)
(出所:GREENPEACE 2015の資料より筆者作成)

 データセンタの電力量が危機的状態にあることは、あちこちで漏れ聞こえてきていたが、2020年には世界の半導体の製造に必要な電力量を上回るという予測に、今さらながら驚いてしまう。

2020年、電力クライシスが世界を襲う

 以上をまとめると、2020年に、世界で半導体が1.475兆個製造され、それに必要な電力量は1.475兆kWhと計算できた。また、2020年に、世界のデータセンタで消費される電力量は1.973兆kWhと予測される。

 つまり、2020年には、半導体製造に日本約1.5カ国分の電力が必要であり、データセンタには日本約2カ国分の電力量が必要ということになる(図7)。半導体製造とデータセンタの合計で、日本3.5カ国分の電力量が必要で、これは世界の電力量の11.5%に相当する。

図7 2020年に半導体製造とデータセンタに必要な電力量

 世界では、上記以外にも、今後普及が加速する電気自動車(EV)を充電するためにも、相当な電力量が必要である。

 東京五輪が開催される2020年には、半導体製造、データセンタ、EVの充電などに供給する電力が逼迫する可能性が高い。これを解決する手段は、今のところ筆者には思いつかない。

 また、2020年は通過点でしかなく、その後も人類が生み出すデータ量は増え続ける。したがって、データセンタは建設され続けるし、半導体の出荷個数も増え続ける。2020年に顕在化するであろう電力危機は、その始まりに過ぎない。これは、世界全体で解決しなくてはならない重要大課題であると言えよう。

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