圧倒的な没入感を実現するLGの有機ELパネルによるドーム(CES2017にて筆者撮影)

 テレビ市場において有機ELテレビの存在感がいよいよ増してきた。国内メーカーも続々と製品を投入しているが、肝心の有機ELパネルの供給は韓国LGに依存しっぱなしの状態だ。次世代テレビと期待されている有機ELテレビで独走するLGに、日本のメーカーは太刀打ちできるのか。(JBpress)

テレビ市場での覇権を目指すLG

【写真1】「壁紙テレビ」と呼ぶにふさわしいLGの有機ELテレビ(筆者撮影)

 韓国LGディスプレイは来年(2019年)には、テレビ用有機ELパネルの生産を、18年見通しに比べて4割も多い400万台分に増産することを決めた。

 LGは今や有機ELテレビ市場を独占している。家電量販店のテレビ売り場で、中央のよい展示場所を確保しているのがLGの有機ELテレビなのだ。

 LGの有機ELテレビは、壁に”貼れる”「壁紙テレビ」だ。ディスプレイの薄さは約3.9mm。液晶やプラズマの「壁掛けテレビ」のレベルを遥かに超えている。

 そのキャッチコピーは、「全ての有機ELテレビは、LGから始まる」(写真1)。

 ソニーやパナソニックだって有機ELテレビは販売している。だが、中心となる部材の有機ELパネルは、全てLGが供給している。このキャッチコピーにも、その自信が現れているわけだ。

 LGは、有機ELテレビの普及を好機として、世界のテレビ市場の覇権を握る戦略なのだ。