「もともとは、“eコマースで賄えないとされていたものを賄えるようにしたい”と考えていました。アパレル、不動産(引越し)、転職などのいわゆる“ライフスタイル系”のサービスがそれに該当します。しかし、引越しや転職は季節性もあるし、いったん動いてしまうと、その後しばらくは動きません。その点、アパレルは1年を通じてユーザーとの接触がしやすく情報を蓄積させやすい。そこでまずはアパレルで事業をスタートさせたという経緯があります」

 台湾に橋頭保を構築して、当面は、アパレル分野で事業の成長発展を図っていく。ゆくゆくは不動産賃貸などにも順次進出していきたい意向だ。

小関氏が自社をSWOT分析すると?

 小関氏の事業は、これまで実現不能とされてきたことを実現させたという点でイノベーティブである。同時に、企業とユーザー双方の困りごとを解決しながら自社の利益を確保するという点では、優れてソーシャルなビジネスと言えよう。

 小関氏は最後にスタイラーのSWOT(スウォット)分析を披露してくれた。

「強み(Strengths)は、“独自のビジネスモデルを通じたユーザー情報や流通情報の集約・蓄積”という点で他の追随を許さない点です。

 それに対して、弱み(Weaknesses)は、ファッションアパレルという旧来型産業にタッチしており、弊社のサービスに参画してもらうために膨大なエネルギーを要する点です。

 機会(Opportunities)は、弊社の強みであるeコマースとコミュニケーションの融合で勝負する分野に関し、アジア諸国全体に商機が広がってきつつあること。

 一方、脅威(Threats)は、アジア諸国に競合プラットフォーマーが出現して実店舗の獲得コスト(=参画してもらうためのコスト)が上がることです」

「彼を知り己を知る」小関氏。アジア市場の成長活力を取り込み自社の成長発展へと結びつけて行けるだろうか? 要注目である。

スタイラーの小関翼社長(前列中央)と社員たち

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