日本よりも進化しているアジア諸国に勝機

 スタイラーはベトナムにソフト開発チームを置くほか、今年(2017年)、台湾進出を果たし、日本同様のサービスを開始した。来年は中国への進出を予定するなど、アジア戦略に注力している。その背景・狙いについて小関氏はこう語る。

「限られた経営資源の中で海外進出をするのなら、市場が成長を続けているアジアが良いというのが、まずあります。また、アジア諸国における売買のあり方が日本より進んでいて面白いのです。アジア諸国では、パソコンを持つ前にいきなりスマホを使いこなすようになった人が大勢います。また、分からないことを調べる時は検索エンジンを使うのではなく、企業や実店舗などに直接メッセージを送ります。買うまでにお店に何度もチャットで問い合わせる直接的なコミュニケーションが売買のベースになっているのです」

 なるほど、そういう点は、スタイラーのビジネスモデルとの親和性を感じさせる。また、小関氏はアジア諸国の人々の日本観にも言及する。

「アジア諸国には親日的な国が多いですし、今なお日本製品の品質への信頼度は高いのです。それに加えて日本製品を通じて、日本ならではの“豊かさを実感できるライフスタイル”を手に入れたいという想いがあります。そういう意味では、日本と政治的な軋轢を抱える中国や韓国ですら、欧米よりもビジネスをしやすいと私は感じます」

 これは、日本と英国のメガバンクに勤務し、アマゾンで働いた経験のある小関氏ならではの確信だろう。

スタイラーの創業経営者・小関翼氏(写真提供:スタイラー)

 小関氏は、アジア市場において中長期的には、アパレルだけではない、より多面的な展開を目指していると言う。