バブルの様相を帯び始めてきた原油市場

世界好景気の裏で、これから大きくなりそうな下げ圧力要因も

2018.01.19(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52123
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サウジ王子ら収容の高級ホテル、営業再開へ 重要人物らは既に釈放か

サウジアラビア・リヤドにある高級ホテル「リッツ・カールトン」。大勢の王子や閣僚経験者らが汚職を名目に摘発され、拘束されていた(資料写真)。(c)AFP PHOTO / GIUSEPPE CACACE〔AFPBB News

米WTI原油先物価格は今年に入り上昇を続け、1バレル=60ドル台半ばで推移している。「世界的な株高が商品相場にも波及する」というリーマンショック以前に生じた現象が頭をもたげつつある。相場過熱の可能性が警戒される中、原油価格は「今年中に1バレル=80ドルに上昇する」との見方も出始めている(1月11日付ブルームバーグ)。

 好調な原油価格を支えている最大の要因は好調な世界経済である。

「ゴルディロックス(適温)相場の下で、今年も世界同時好景気が続く」との認識が広がり、原油市場でも「売り」につながるはずの情報が材料視されにくくなっているようだ。

協調減産はいつまで続くのか?

 原油の「売り」材料にはどのようなものがあるのか。筆者が注目しているのは、まず中国の原油輸入量の減少である。

 昨年(2017年)12月の原油輸入量は日量796万バレルと前年比7.4%減となった。前年割れとなったのは2016年1月以来だが、原油価格の上昇によりマージンが大幅に減少し精製需要が減少した結果である。

 昨年11月の原油輸入量は「茶壺」と呼ばれる民間製油所の「爆買い」により日量901万バレルと好調だった。しかし、1月の精製業界を巡る環境は、原油価格のさらなる上昇により悪化の度を深めており、原油輸入量の前年割れが続く可能性が高い。強気相場の下ではしばらく材料視されないだろうが、「堅調な原油需要」という前提が崩れることになることから、原油価格の動向を占う上で見逃せない要素である。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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