バブルの様相を帯び始めてきた原油市場

世界好景気の裏で、これから大きくなりそうな下げ圧力要因も

2018.01.19(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52123
  • 著者プロフィール&コラム概要

 次に挙げられるのは、OPECをはじめとする主要産油国の協調減産がいつまで続くかである。

 昨年1月に開始された協調減産(日量約180万バレル)は今年末まで実施されることになっているが、中東やロシア産原油の価格指標である北海ブレント価格が1バレル=70ドルを超えると不協和音が出始めている。

 イランのザンギャネ石油相は1月10日、「OPEC加盟国はシェールオイルの存在を念頭に1バレル=60ドルを超える北海ブレント原油価格の上昇を目にすることに乗り気でない」と発言した。ロシアではノヴァク・エネルギー相が12日に「1月から3月の原油価格を見て協調減産の解除について結論を出す」と述べ、石油大手アレクペロフCEOも「ブレント原油価格が70ドル付近を維持した場合、協調減産を解除すべき」と主張した。

 アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、オマーン、イラクなどは「協調減産を継続すべき」としているが、市場関係者の間では「まもなくOPECは原油価格の沈静化に向けた動きに出るだろう」との観測が高まっている(1月10日付OILPRICE)。

 イランやロシアの抜け駆け増産、債務支払い遅延が常態化しているベネズエラのさらなる減産など、主要産油国の協調減産は今後若干の波風が立つだろうが、6月のOPEC総会までは「現状維持」で推移すると考えられる。ただし、その後の展開は予断を許さない。

 3番目の要因は、シェール企業の動向をはじめとする米国市場の動向である。

 原油価格の上昇局面にもかかわらず、1月5日時点の米国の原油生産量は日量949万バレルに減少した(12月15日時点の生産量は日量979万バレル)。記録的な大寒波襲来の影響が大きいと思われるが、石油掘削装置(リグ)稼働数も750基前後で推移しており、「シェール企業は原油価格上昇にもかかわらず短期的な増産に慎重だ」との憶測が広まっている。

2
スマートエネルギー情報局TOPに戻る
PR
PR
PR
バックナンバー一覧 »

POWERED BY

  • ソーシャルメディアの公式アカウントOPEN!
    TwitterFacebookページでも最新記事の情報などを配信していきます。「フォロー」・「いいね」をよろしくお願いします!
Twitter
RSS

 

経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

オリジナル海外コラム

米国、欧州、中国、ロシア、中東など世界の政治経済情勢をリアルに、そして深く伝えるJBpressでしか読めないオリジナルコラム。

>>最新記事一覧へ