昭和11年のチャーハン、お米の多さにはワケがある

「栄養と料理カード」でたどる昭和レシピ(1)チャーハン

2017.08.04(Fri) 三保谷 智子
筆者プロフィール&コラム概要
戦前から戦後にかけてチャーハンの作り方はどう変わっていったのだろう。

 月刊誌『栄養と料理』(女子栄養大学出版部刊)の創刊は1935(昭和10)年。学園の教育内容をまとめた講義録として出発した。
 創刊2号目から付録についたのが1枚の小さなカード「栄養と料理カード」だ。健康に留意したおいしい料理がだれでも作れるように、材料の分量や料理の手順、火加減、加熱時間、コツなど納得のいくまで試作を重ね、1枚のカードの表裏に表現。約10×13cmの使いやすい大きさ、集めて整理しやすい形にして発表した。
 約30年にわたり『料理と栄養』に携わってきた元編集長が、「栄養と料理カード」で紹介された料理を題材に、時代の変遷をたどっていく。

現代のチャーハン作りとの違いはどこに・・・

 わが家では、冷やごはんの活用法として「チャーハン(炒飯)」を作る。夏はレタスと油揚げと梅干しのチャーハンなど。蒸し暑い日でも食べやすく、家族も喜ぶ。冷やごはんはあらかじめ電子レンジで温めておくのが私流。炒めた具に温めたご飯を加えると、具と混ざりやすく、パラパラに炒めることができる。そして油の使用量が少なくて済む。

 味つけはこしょうのみ。ごま油で刻んだねぎを炒め、細切りにした油揚げとレタス、温めたご飯を順に加えて炒め合わせ、油がなじんだら、刻んだ梅干しを加え混ぜて出来上がり。1人分で油小さじ1(4g)、ごはん150g。2人分でも深めのフッ素樹脂加工のフライパンで充分だ。

 以上は、ヘルシー志向の現代流。では、昭和のレシピをひもとくと・・・。

ごはんの量は現代なら「大盛り」―― 昭和11年

『栄養と料理』の「栄養と料理カード」の中に、チャーハンは3枚ある。材料の表記は4~5人分、ごはんは冷やごはん、あるいは固めに炊いたごはん。炒める道具は中華なべだ。

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三保谷智子(みほやともこ)

栄養と料理』元編集長。2011年4月から香川昇三・綾記念展示室勤務。学芸員。

東京都出身。1977年立教大学文学部史学科卒業後、香川栄養専門学校栄養士科(現 香川調理製菓専門学校)へ進学、「栄養士」の資格を取得。その後、1979年女子栄養大学出版部雑誌編集課に入職、約30年『栄養と料理』の編集に携わる。1988年より2011年まで、10年間編集長を務める。途中、同部マーケティング課、書籍編集課に在席。

独立行政法人国立健康・栄養研究所外部評価委員。「食生活ジャーナリストの会」会員、NPO法人「野菜と文化のフォーラム」会員、NPO法人「くらしとバイオプラザ21」理事。現在、『栄養と料理』で連載「レシピの変遷シリーズ」を執筆中。


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