JBpress読者のみなさん、こんにちは。杉村太蔵です。

 前回に引き続き、元プロテニス選手、森上亜希子さん(私と同い年で、ジュニア時代からの知り合いです)との対談の様子をお届けします(ぜひ前半もお読みください)。

 森上さんは大阪出身で、1980年1月生まれ。18歳でプロに転向し、世界41位まで上りつめ、ウィンブルドン、全仏では3回戦まで進まれるなど、世界的に活躍された選手です。2009年11月に惜しくも引退されました。

 前回、日本人が世界で通用する選手になるためには、若いうちから世界に出ていくべきだというお話をうかがいました。

 今回は、日本のテニス界をどうすれば盛り上げられるのかを一緒に考えたいと思います。特に国内トーナメントの価値を高め、たくさんのお客さんに来てもらうには、どうすればいいのか。森上さんに、この辺のお話をじっくり聞いてみました。

 どうぞ最後までお読みください!

納得いくまでやったから、思い残すことはありません

杉村 「森上さんが引退」って聞いた時、「まだできるんじゃないか、早いな」って思ってしまいました。そんなに膝の状態が悪かったんですか?

森上 実は2007年後半からものすごく膝が痛みだして、それまでそんなに大きな怪我とかはなかったのに、何をしても痛いわけ。それで大会を3つほど欠場して、その間、アメリカと日本で何人かのお医者様に見てもらったんですよ。そしたら、「どこも悪くない」って言われたの。

 そんなのおかしいなと思ったんだけど、お医者さんが「悪くない」って言うんだから、私は普通の人よりも痛みに弱い人間なのかなって、思ったりしてたくらい。

 それで、2008年のシーズンが始まったのね。その年は北京オリンピックがあって、私はアスリートとしてはどうしても出たい大会だった。ただ、そのためにはフレンチオープンで最低でも1回戦を突破しなければならなかったの。

 でも、本当に膝が痛くて、フレンチオープンの大会ドクターに膝を診てもらったんです。そうしたら、「こんなのプレーできる状態じゃないよ」って言うわけ。膝のお皿がグチャグチャになっていて、関節と関節の間にある軟骨も完全に磨り減っていて、何もない状態。「これでは絶対にプレーできないよ」って言われたんです。

杉村 その前のドクターは全然気づかなかったの?

森上 そこが私も不思議で。今、言っても仕方ないんだけどね。

杉村 それでフレンチオープンはどうしたんですか?