尖閣諸島の問題は明らかな領土問題である。もちろん日本が尖閣諸島に領土問題はないという立場なのは分かっている。しかし、それは日本の主張なのであって世界のコンセンサスではない。
ビデオ流出の責任追及して尖閣失う愚
だとすれば、「領土問題はない」とは主張はしながらも、誰からも文句が言われない“本物の”日本の領土にしていく外交、国防上の努力が必要だろう。
しかし、残念ながら日本の国会議員には、そんな意欲も意志も全くないようである。
少なくとも尖閣諸島の中国漁船衝突ビデオ流出事件の対応を見ているとそうとしか思えない。流出の責任論に終始してもそれはただの手続き論に過ぎず本質ではない。
議員さんたちの頭にあるのは、相手のミスを突っついて政局を有利に運ぶことだけ。日本の国益なんか後回しだ。
もっと意地悪く言えば、日本の国益を質に出して、自分たちの政党に利益をもたらそうとしている。
全くもって本末転倒である。国を動かす人たちが、どうしてこうも近視眼的になれるものなのか。
腹立たしさを覚える一方で、残念ながら戦後65年、日本に培われてしまった平和ボケと無責任体質が原因かと思うとむなしくなるばかりである。
仙谷由人官房長官のこの発言がそれを象徴している。「政治職と執行職では責任のあり方が違う。執行職には権力を執行する強い責任がある」。果たして、政治家はどんな責任を取ってくれるのだろうか。しかし日本の政治全体が恐らく五十歩百歩だろう。
いや、これは政治だけの問題ではない。エコノミストがこんな記事を書いている「指導力を欠く日本の経営者~創業社長から虚ろなサラリーマン社長へ」。