つい先日、ある上場企業のトップに民主党の最高幹部から電話がかかってきたという。その内容は「経団連には期待できない。加盟企業以外のところに頑張ってもらわなければ日本の未来は危うい」というものだったそうだ。

経団連加盟企業からはもう税金が期待できない!

今週のランキング
順位 タイトル
1 日本の企業年金基金が危ない!
2 欧州自動車メーカーの苦悩
3 頻発するストもたちまち解決、中国人の若きリーダー
4 エルピーダよ、2度目の敗戦を無駄にするな
5 日本の電機産業:頂点からの転落
6 若者の間で激増している「できちゃった婚」
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8 三十路を超えた女は年下の男にロックオン
9 橋下市長の職員アンケート、隠された本当の狙いとは
10 薄熙来失脚? 両極端に振れる中国内政のパターン
11 ソニーはどこへ向かうのか
12 もう背中すら見えない韓国の先頭集団
13 教育の国際化:世界から完全に取り残された日本
14 ロシアの対日恫喝を取り上げた中国の意図
15 民主主義の成熟度が試されている
16 中国経済:激変する出稼ぎ事情
17 ギリシャが全面的にデフォルトする日
18 長期株高が始まった
19 不本意な回り道こそ、大きな発展への近道
20 次の世界金融危機は中国発か?

 日本の高度成長を支えてきた経団連に加盟する多くの企業はいまや成長戦略が描けず、日本政府としてこれからの税収が期待できないということらしい。

 この電話を受けた企業トップは「民主党もようやく与党らしくなって経済のことが分かってきたか」と笑う。

 しかし、経団連に加盟していない企業となると、主にサービス産業の大企業か中小企業ということになる。

 野田佳彦首相が党首討論の直前に自民党の谷垣禎一総裁と密会するという大きなリスクまで取って進める消費税増税は、まさにサービス産業や中小企業を直撃する。

 与党らしくなってきたのは結構だが、期待と戦略がまるでかみ合っていないようだ。

 いまの日本にはお勉強をしている余裕は全くない。政治家は素人でもサラリーマンでも困る。プロ中のプロであってほしいものだが、政治家が日本のビジョンを示せない中、日本経済は着実に疲弊し続けている。

 今週破綻したエルピーダメモリがその典型例だろう。製造業最大の負債を抱えた日の丸半導体メーカーの倒産は、様々な意味で日本の問題点を改めて示してくれた。

 1つは日本的な「親方日の丸」経営では国際競争力を持てないということだ。

 この点を前から指摘してくれているのが、JBpressの人気コラムニストの1人である湯之上隆氏だ。エルピーダの破綻直後に寄稿してもらった「エルピーダよ、2度目の敗戦を無駄にするな」も非常によく読まれている。