■ プログラム 1

 1つ目のプログラムが、「キャリアデザインの必要性の理解」だ。ポイントは、自己特性を言語化することである。

 この際に、土台として伝える考え方が「アイカンパニー」だ。企業が生き残りをかけて戦略立案や商品力強化などで市場優位性を模索するように、個人の成長もまた、一人ひとりが「いかに選ばれ続けるプロフェッショナルになれるか」が重要になる。

 そのことを「アイカンパニー(自分株式会社)」というメタファーを使って理解してもらう。企業と同じように、個人も「自分株式会社」を設立し、個人として市場優位性を発掘していくことの重要性を伝えるプログラムだ。

 アイカンパニーの考え方では、個人が置かれている環境を以下のように定義している。

  • 市場:業界、所属企業
  • 顧客:取引先、上司
  • 競合:同僚、他のビジネスパーソン

 こうした環境において個人として選ばれ続けるためには、次の3つの観点を踏まえて、アイカンパニーの「経営戦略」を立案する必要がある。

  • 経営理念(やりたいこと):経営上、決して外すことができない大切な価値・こだわりは何か?
  • 市場ニーズ(やるべきこと):市場や顧客から期待されていることは何か?
  • 技術力(やれること):過去の経験から獲得したスキルは何か?

 この3つの観点が重なり合うところに、「引力」に引っ張られることのない個人としてのビジョン(経営目標)が生まれるのだ。アイカンパニーの経営者として、個人は、常に周囲の期待や自身の志やこだわり、スキルをアップデートしていかなければならない。