デルタクリエイト 代表の佐藤舞氏(撮影:宮崎訓幸)

「人生を豊かに生きること」については、紀元前から現在まで約2600年もの間、あらゆる哲学者や思想家、科学者がさまざまな論考を積み重ねてきた。しかし、今もなお、「人生における有意義な時間の使い方」に関する人々の悩みは尽きない。ビジネス統計家としてデータ活用のコンサルティングや研修を手掛け、Japan Innovation Reviewの動画番組「サトマイのデータイノベーションTV」でもおなじみの「サトマイ」こと佐藤舞氏は、そうした人々の悩みの根源である「時間の浪費」の正体に科学的にアプローチし、『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』(KADOKAWA)を上梓した。「時間の浪費」の正体、および自分の人生を豊かにする対処法ついて、同氏に聞いた。

佐藤舞氏が出演する動画番組
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人生の限りある時間を浪費してしまう「時間の浪費」の正体に迫る

――著書では、「人生における有意義な時間の使い方」について、紀元前から現代までのあらゆる先人の知恵やエビデンスに基づき、体系立てて解説しています。このテーマを扱うこととなったきっかけは何でしょう?

佐藤 舞/デルタクリエイト 代表

数学アレルギーから学生時代より文系の道に進むが、国立福島大学経済経営学類に入学後、統計学と出会い数学アレルギーを克服する。在学中、野村総合研究所主催の「マーケティング分析コンテスト」入賞。卒業後、一般企業に就職。その後、26歳で独立、データ分析・統計解析事業を始める。データの活用を通して意思決定コストを削減し、組織力をあげることを得意とする。総務省からの依頼でもセミナーを開催し、参加者の満足度の高さから依頼のリピート率が100%になっている(2021年3月現在)。YouTubeチャンネル「謎解き統計学 | サトマイ」を運営。チャンネル登録者数は約38万人(2024年6月現在)。統計学やマーケティングリサーチを元にした時事ネタの解説が人気を博している。2024年2月20より桜花学園大学客員教授に就任。

佐藤舞氏(以下敬称略) もともと感じていたこととして、「この変化の激しい時代において、自分の人生やキャリアをどのように戦略立てて進めていくか、それを考える知恵や技術を持っていない人が多い」というものがありました。

 一方で、私がリサーチという仕事で培ってきた考え方やノウハウを、そうした人たちが人生やキャリアを考える上での知恵や技術に転用できるのではないか、とも考えていました。

 普段、私が行っているリサーチの仕事は簡単にいうと、お客さまの真のニーズ、インサイトといわれるものを見つけ、そのインサイトを満たす商品やサービスを開発するなどといったものです。真のニーズを見つけるためには、今、どういうものが売れているか市場調査を行い、さらになぜそれが売れているのか、深く掘り下げていきます。

 今回、本を書くにあたっても、最近どのような本が売れているのかをリサーチしました。すると、「限りある時間の使い方」など人生を豊かに生きるための自己啓発本やタイムマネジメント本が売れていると分かりました。しかも、こうした自己啓発や時間術の本は、今だけでなく昔もよく売れています。

あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方 (KADOKAWA) https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g322403000048/

 今も昔も売れ続けているということは、結局、人々の真のニーズ、悩みの根本といったものが解決されていないのではないか、ということに行き当たりました。

 そこで、その現代人がまだ解決できていない悩みとは何なのか、その悩みの根源を突き止め、解決する方法を、体系立てて解説することにしました。

――現代人がまだ解決できていない悩みとは何でしょう?

佐藤 私を含め現代人がまだ解決できていない課題は、「有意義な時間の使い方」だと考えています。これだけ時間術の情報があふれていても、人はなお、有意義に時間を使えていません。

 その悩みを解決するためには、「時間の浪費」の正体に迫り、その正体への対処法を知ることが大切だと考えました。

 ベストセラーとなった自己啓発本の中には、エビデンスベースで誤ったことを書いていたり、誤ってはいないものの、世間で間違った解釈をされていたりするものも少なくありません。これでは真のニーズを解決できません。問題が解決されないと、人はまた自己啓発本を買い続けることになります。

 本書では、悩みの根源と対処法について科学的なアプローチで解説しています。科学的にしっかりと悩みに向き合えるため、自己啓発を終わらせられるのではないかと考えています。