自分で考え納得し、自分で決められる自己決定力が幸せを生む

――具体的に、どのような施策を考えていますか。

 一つは自分や仕事のミッションを明確化するための1on1ミーティングで、ミッション・ドリブン(使命感とやりがいを感じ、当事者意識を持って働く)1on1や、MYミッション(自分の人生のミッション)1on1と呼んでいます。

 自分の人生の目的をあぶり出すために、自分は何に心が動きワクワクし、何に怒りを覚えているかなど、自分の内発的動機になっているものや、解決すべき社会の課題、運命が自分に与えた能力を書き出し、整理をして、人生で何を成し遂げたいのかを考えます。それをベースに、上司や同僚と共有して、互いにそれを理解した上でチームを作ります。そしてMYミッションの中に仕事を落とし込む。仕事の目的と自分のミッションが融合、あるいは同じ方向を向いた形がおそらく個人にとっても幸せで、その方が自分から動くようになり、成果が出せるだろうと信じて取り組みを始めています。うまくいくか心配をしながらスタートさせましたが、何かが動き出したように感じています。

 もう一つは自律的なキャリア形成促進のためのジョブ型人事制度の活用です。今、グループにはいろいろな仕事があって、いろいろな役職、活躍の仕方があるということをグループ内に開示する。ジョブディスクリプションによって、グループ社員が自分のキャリアを自分で考えられるようにするための情報をきちんと開示し、このジョブにはどのようなスキルが必要で、自己研鑽は何をしなければならないかを説明する。これは公募制にして少しずつ始めています。

 以前は、決められたことをスピーディにやることが業績に結び付き、それが評価にもつながっていましたが、これからの時代は新しいことをやらなくてはいけないので、自律的に働くMYミッションをベースにジョブの透明性を高めていきます。以前は、どうやってたくさん売るかを考えればよかったのですが、今、求められているのは顧客を守るために何をやるか、なぜそれをやるのかです。

――顧客を守るためにどのようなことに取り組まれるのでしょう。

 例えば、「保険」という考え方だけだと、リスクが起こった後にそれをカバーするためのお金の支払いだけになってしまいます。今、大規模災害など広域支援が必要な災害が増えていますが、土石流が起こって町ごと壊れてしまうのを、もし未然に防げるのであれば、それをサービスとして提供でき、何か起こる前に守れるでしょう。

 こうしたことを考え出せる、自律自走できることがこれからのわれわれのビジネスにとっては必要です。これは会社の都合ですが、社員の幸せという意味からも、人から言われてやるよりも、自分で考え、納得し、自分で自分の動き方について自分で決められる自己決定力が幸せを生む。それを原動力として進めています。自分のミッションってなんだろうということを深く考えるところから始めれば、腹落ちしますよね。1on1とジョブ型の人事制度は自分で考えることにつながり、会社もHAPPY、社員もHAPPYになります。