ワークショップや研修での工夫

JMAC渡邉

ワークショップや研修で気を付けていることはありますか?

タキザワ氏

オンラインのワークショップでは、プログラムを複雑にしないようにしています。ファシリテーターが介入できる余地は少ないですし、参加者側の情報も限られているので、必要最低限のファシリテーションでも質を担保できるプログラムにすることを心掛けています。

JMAC渡邉

複雑にしないという点について、もう少し詳しくお話しいただけますか。

タキザワ氏

リアルであれば参加者や場、アウトプットを見ながらプログラムやワークをチューニングしたり、場合によっては大胆に変更することもできますが、オンラインだと難しいですよね。

JMAC渡邉

確かに、リアルならやりやすいことをリモートでは工夫する必要がありますね。私たちも創造型のアウトプットをディスカッションで作り上げていくときに、リアルなら模造紙と付箋紙、といったツールを使ってやるところですが、それができない。なので、参加者はリモート、ファシリテーションするわれわれはクライアントを訪問してクライアントのPCで議論に入り、共有ツールでまとめていく、といった進め方をしました。

タキザワ氏

オンラインでもツールを活用することで、場のコントロールや参加者の対等な関係性をつくれると考えています。リアルの場合のプレゼンって、意外とみんな聞いていない(笑)。でも、オンラインではタイマー機能や画面共有、スポットライト機能など、ツールを駆使しながらファシリテーションすることができます。例えば、Zoomのブレイクアウト機能でランダムでペアをつくり、短時間の自己紹介をシャッフルしながら繰り返していくと、一気に場が温まるのでオススメです。

JMAC渡邉

オンラインでのクオリティを上げていく、ということですね。では、オンラインのコミュニケーションで、うまくやるコツは何でしょうか?

タキザワ氏

これはワークショップに限らず普段の会議などでもいえることですが、事前と事後も含めて検討ができているかどうか考え、全体のプロセスをきちんとデザインすることを意識しています。事前にアジェンダや資料、参考URLを送っておくとか、事後に参加していないメンバーに録画データを共有するとか。オンラインという制約のおかげで、効率化されたことも多いと思います。
いかにオンラインの弱点を克服し、オンラインならではの可能性を生かし切れるかがポイントです。とは言っても、やはりリアルでしかできないこともあるので、コロナが収まった後はリアルとオンライン双方の強みや特性を把握した上で、ハイブリッドなプロセスのデザインが求められると思います。