ジョブ・クラフティングはどう促進させる?
それでは、ジョブ・クラフティングを促進させるためにはどのようにすればよいのだろうか。
ジョブ・クラフティングの促進には、フィードバック・ループを回すことが重要になる。
他者には分からなくても、小さな一歩からジョブ・クラフティングを始めてみると、自分で仕事を決定できる部分があると実感できるようになる。そうすると「もっとやってみよう」という動機が生まれ、より大きなクラフティングにつながっていく。
ところが、ジョブ・クラフティングをしようと思っても、できる人とそうでない人、できる環境とそうでない環境がある。それを決定するのが、次の3つの要素だ。
まず1つ目が仕事の自律性である。別の言い方をすると自由裁量ということになるが、変化を加えるためには、ある程度、自分で決められる裁量の余地がある方がやりやすいということを意味している。
2つ目は上司や同僚からサポートを得られやすい職場風土だ。何か今までと違うことをやろうとしたときに「よい取り組みだ」と言ってくれるなど、周囲からのサポートを得られやすいかどうかがジョブ・クラフティング促進に関わってくる。
そして、3つ目は個人の特性の把握である。ジョブ・クラフティングは自分の強みや思いを生かすものであるため、自分の強みや思いはここにあると分かることで、ジョブ・クラフティングを促進することが可能となる。
この3つの要素を踏まえ、例えば上司や先輩として若年層のジョブ・クラフティングを促進するためには、
・小さなことでも自分で考える範囲を与えること
・フィードバックして新たな気付きを与えてあげるようなサポートをすること
・本人が気付いていない強みやこだわりを観察して伝えることで、強みを生かせるようにしてあげること
といった具体的な働きかけが有効だ。