ジョブ・クラフティング促進での留意点

 総合的に見ればジョブ・クラフティングを通じてEXを高めていくことは個人にも組織にも良い影響を及ぼすものだが、促進していく上で幾つか注意すべき点もある。

 1つ目は仕事の相互依存関係だ。仕事は自分だけで完結するものではないため、自分が何かを変えることが他の人に悪い影響を生んでいないかということに注意する必要がある。

 2つ目は縄張り意識である。自分の強みや思いを生かそうとすることに関して他の人に何か言ってほしくない、という意識が生まれていないか、ということにも気をつけるべきだ。

 そして、3つ目は縮小的ジョブ・クラフティングである。自分の強みやこだわりを生かすことにばかり意識がいって、他のことをおろそかにしていないか、ということにも注意しなくてはならない。

組織に、個人に求められること

 仕事というのは私たちの生活の中で大きな比重を占めている。

 従って、その仕事の体験価値というものを自ら創り出して高めていき、またそうした環境を組織がバックアップしてあげるということは、組織にとっても個人にとっても望ましい結果を生み出していくと考える。

 これからは仕事の働きがいやEXというものは自分で探求し創り上げていく時代になり、それが自律して働くということだろうと思う。

 そうしたEXを創り出していくのは日々の実践であり、それを組織が支援していくことが求められてくる。一人一人が実践し、組織に広げていくような形で好循環が生まれればよい。