米空軍

 空軍は、海軍と協働して「エアシー・バトル(ASB)」構想の中心的役割を果たし、長距離精密攻撃によって中国の海・空戦力やC4ISR、継戦基盤などを撃破して統合作戦構想の目的を達成する。

 その具体的な作戦構想は、「迅速機敏な戦力展開(ACE)」と、それを成立させるための「広域展開基地システム(DABS)」である。

 前述の通り、米空軍はフィリピンにおいてDABSの一環として6か所の駐屯地・基地が使用できことから、バリカタンでACEのための訓練・演習の絶好の機会を得て、その態勢整備が急速に進展するものと見られる。

 また、米海・空軍はフィリピン軍との統合防空ミサイル防衛(IAMD)演習や多国間海上作戦を実施するなど、多くの画期的な訓練に参加すると見られる。

 フィリピン軍は、日米共同方面隊指揮所演習(YS演習)や海上自衛隊演習などにオブザーバー参加している。

 フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は4月15日、バリカタンを巡って「日本の参加は良い動きとなる」と述べ、来年以降の正式参加に期待感を示した。

 このように、今後、中国の覇権的拡大を睨みつつ、日米比に台湾を加えた4か国による安全保障・防衛協力を強化する「統合島嶼防衛構想」を進めることが、一段と重要性を増している。