(4)イラン・ナタンズの核施設に対する破壊工作(2020年)

 2020年7月に、イラン・ナタンズの地上施設で爆発が発生した。

 破壊された作業施設では、その内部で最終組み立て段階にあった新型の遠心分離機や精密計測機器が破壊ないし損傷させられた。

 このように、この破壊工作は高度な遠心分離機の破壊を狙ったものである。

 爆発物は、長年にわたって信用されてきた業者によって仕掛けられたものであったと結論づけられた。

 イラン政府スポークスマンは「このイスラエルが用いた手法」は危険なもので、世界に拡散しかねないものだとして非難する声明を発した。

(5)2度目のイラン・ナタンズの核施設に対する破壊工作(2021年)

 2021年4月、イラン・ナタンズの核施設で爆発が起こり、施設の電源設備は完全に破壊され、中心的な設備である遠心分離機への電源供給が止まった。

 その結果、これら機器の多くが破損したとされている。

 爆発は小さかったとイラン政府は発表しているが、爆破の被害を見ようとしたイラン原子力庁(AEOI)のスポークスマンが7メートル落下し、大怪我を負っている。

 実際には、相当な大きな穴が空いていたということである。この破壊工作もまた、イスラエルによるものだとしてイランは非難した。

 この爆破は、同施設で新型遠心分離機の運用が開始された翌日に実行されている。このことは、ナタンズへの新型遠心分離機の導入をイスラエルがいかに警戒しているかを示しているように見える。