(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

まるで「責任逃れ」のための弁明

 解釈の仕方によれば、弁明に聞こえなくもない。

 ロサンゼルス・エンゼルスのペリー・ミナシアンGMが右肘内側側副靭帯(UCL)を損傷した大谷翔平投手に関して言及。8月3日(現地時間)の本拠地シアトル・マリナーズ戦で先発マウンドに立った大谷が右手と右指の痙攣で4回に緊急降板に追い込まれたため、その後にMRI検査を提案したものの大谷本人と代理人のネズ・バレロ氏が断っていたことを明らかにした。

左からエンゼルスのフィル・ネビン監督、大谷翔平、ペリー・ミナシアンGM。4月8日撮影(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 すでにエンゼルスは8月23日に大谷がUCL損傷のため今季の残り試合に登板しないことを発表している。

 大谷は同日の本拠地レッズ戦・ダブルヘッダー第1試合で「2番・投手兼DH」として先発出場。初回の第1打席で先制の44号2ランを放ったものの先発マウンドでは今季最短の1回1/3で降板に追い込まれ、試合後にMRI検査でUCL損傷の検査結果が判明した。

 そんな衝撃の検査結果を耳にしながらも大谷は同じ8月23日のレッズ戦・ダブルヘッダー第2試合も「2番・DH」で打者としてフル出場し、3点を追う5回の第3打席では右翼へ二塁打を放ち、4番のルイス・レンヒーフォの適時打で3点目の本塁生還も果たしている。

 その後、球団側は大谷についてセカンドオピニオン等を基にトミー・ジョン手術(側副靱帯再建術)を行うかどうか、PRP療法を用いて右肘にメスを入れない保存療法も視野に入れながら患部のリハビリ方針を決めていくとしている。その方針が決まるまで今季の残り試合は当面、打者としての出場を継続させていくという。

 しかしながら、ここに至るまで大谷を投手・野手の二刀流で起用し続け、結果的に右肘をパンクさせてしまったエンゼルスへの批判は日々強まる一方だ。振り返ってみれば明らかな通り、その危険信号はここ最近1か月ほどの間でいくつか繰り返されていたからである。