(写真:AP/アフロ)

止まらない勢い

 まさに無双状態だ。ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が7月2日(現地時間)の本拠地アリゾナ・ダイヤモンドバックス戦に「3番・DH」でフル出場し、2点をリードした8回二死の第4打席で2試合ぶりとなる右翼越えの31号ソロを叩き込んだ。

 本塁打王争いでは2日現在で同じアメリカン・リーグ2位のルイス・ロベルト・ジュニア外野手(シカゴ・ホワイトソックス)に7本差、MLB全体でもナショナル・リーグ1位のマット・オルソン内野手(アトランタ・ブレーブス)に3本差をつけて引き離し、トップを独走。同じく2日現在の打撃成績で68打点はア・リーグ1位をキープし、MLB全体でも前出のオルソンと並んで1位タイとなっている。

 さらにOPS(出塁率と長打率を足し合わせた打者指標)1.060はMLB全体で唯一の1点台としており、長打率も6割7分で文句なしのMLB全30球団中トップだ。打率3割6厘もア・リーグ4位と上位につけ、いかに今季の大谷がコンスタントに安打を放っているかを示している。

 しかも6月は記録的な月間15本の本塁打量産で度肝を抜いた。この6月に大谷が叩き出した月間15本塁打は1996年6月のティム・サーモン、2000年5月のモー・ボーン、2015年6月のアルバート・プホルス、2019年7月のマイク・トラウト、そして2021年6月に自身がマークした月間13本の記録を塗り替え、球団新記録となった。

 日本人メジャーリーガーとしても、2007年7月に当時ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜、前出の2021年6月に自身が記録していた月間13本の最高記録を更新した。

 さらには6月の月間15本塁打は1930年のベーブ・ルース、1934年のボブ・ジョンソン、1961年のロジャー・マリス以来、実に62年ぶりでMLB史上4人目の快挙達成となった。