WBCで侍ジャパンを優勝に導いた栗山英樹監督(写真:CTK Photo/アフロ)

 あれから1週間以上が経過しても、未だ列島には興奮が残っている。現地時間の3月21日に米フロリダ州ローンデポ・パークで行われた「2023 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」決勝戦の幕切れは歴史に残る名シーンとなった。

「3番・指名打者」で先発出場していた野球日本代表・侍ジャパンの大谷翔平投手はDHを解除し、並みいるメジャーリーガーたちが名を連ねる米国代表を相手に9回からクローザーとしてマウンドに立った。

大谷翔平、3年後のWBCに今から参加希望

 二死無走者からロサンゼルス・エンゼルスのチームメートで盟友マイク・トラウト外野手と対峙すると、最後は外角スライダーで空振り三振。MLB移籍後初の救援登板を魂の15球で1点リードを守り切り、3―2の勝利で日本を3大会ぶりの世界一達成に導いた二刀流右腕は、歓喜の雄叫びとともにグラブと帽子を放り投げ、自らに駆け寄るチームメートたちと喜びを分かち合った。

3月21日、アメリカ代表との決勝戦で9回表から登板、ラストバッターのトラウトを三振に打ち取った瞬間、両手を広げて咆哮する大谷翔平選手(写真:AP/アフロ)

 こんな凄いエンディングは人気漫画家、あるいはハリウッド映画の脚本家でも思いつかないだろう。それを大谷は見事に実現させた。

 3月27日に発表された米経済紙フォーブス(電子版)のMLB選手今季総収入ランキングで大谷は6500万ドル(約85億円)で1位となったが、決勝戦で残したインパクトを含めWBCでの活躍や貢献度をあらためて振り返ってみても、その市場価値は当然のものと言える。WBCで文句なしの大会MVPにも輝き、今大会の主役は紛れもなく大谷だった。