宇宙ステーションのような閉鎖環境で身体にどのような影響が起きるのかという医学的見地は地上でも非常に参考になる(写真は国際宇宙ステーション)

 2022年11月25日にまとまった報告書が提出され、物議をかもすようになった「JAXA研究不正」(https://www.jaxa.jp/press/2022/11/20221125-2.pdf)。

 報道は何かと「古川聡宇宙飛行士」が研究責任者であった調査における不正であると、属人的な論調(https://www.sankei.com/article/20230111-WFXJEZFQVZMXHDPEA56QJYNRKU/)が大半のように見えます。

 いったい何が不正だったのか、どのような問題があるか、そもそもどうして宇宙飛行士が地上の基礎研究のプロジェクト責任者であるかといった、まともな議論、建設的な対案に役立つ報道を見かけません。

 今回は、問題になった「JAXA 閉鎖実験」がいかに日本の近未来に対して重要かという、他の報道が一切書かない点に絞って科学的な観点から再発防止の大切さを記したいと思います。

 JAXA実験は、国民の血税を使って「宇宙」のために行っているばかりではないのです。「閉鎖実験」が直接役立つ応用対象として、

1 パンデミック対策

2 風水害対策

3 防衛案件

4 とりわけ核戦争を前提とする諸問題

 などがあることは、もっと広く語られてよいと思います。

 そもそもそれ以前に「宇宙飛行士」という表現が、すべてを意味不明にしていることに注意すべきでしょう。