meet inの齋藤正秋社長

 日本企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)でどのように変われるのか――。

 月極駐車場のDXという新しい分野を切り開いてきたハッチ・ワークの大竹啓裕会長が「DXの現場訪問」と題し、今話題となっている「企業経営者」にインタビューする新シリーズ。

 今回は、クラウド型オンラインセールスシステム「meet in(ミートイン)」を提供するmeet in(東京・豊島区)の齋藤正秋(さいとう・まさあき)社長に話を聞きました。

 前編では、主にmeet inの機能と特徴、市場から評価されているポイントについて紹介しました。

 後編では、meet in急成長までの変遷と、誰もが知るグローバル企業や日本でも超大手といわれる企業が群雄割拠するオンライン会議システム市場での今後の戦略について迫ります。

(前編は「対面営業を超える成約率、オンライン営業に激震走る」はこちらhttps://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69552

創業期に味わった絶頂とドン底

 以下は齋藤社長のお話です。

 当社は2017年に創業しました。その頃、保育園の空きを待つ待機児童の増加が社会問題となっており、働きたくても働けない人が200万~300万人いるといわれる状況でした。

 そこで、保育がある職場なら、ニーズに応えられるだろうと考えて、待機児童数全国ワーストワンという埼玉県さいたま市にキッズスペース付きのコールセンターを設立しました。

 保育士がいる職場という時代の要請にマッチした事業スタイルは、NHKや日本経済新聞など数多くのマスコミにも取り上げられ話題となり多くの人材が集めることができました。

 ところが、1~2週間で100人以上という応募者のほとんどを採用する華々しいスタートの後、待っていたのは、パソコン設定やら使い方のレクチャーといった社内で仕事ができる体制つくりに追われる日々でした。

 ここに来れば手取り足取り教えてもらえるという感覚の人が多くて、それをフォローする体制が整えられていなかったのが原因でした。

 そこで、比較的パソコンが得意で意欲のあるママ10人ほどを選抜して、リーダーシップを発揮してもらおうと考えました。

 ところが、これも失敗してしまいました。