人生100年時代、シニア会社員としてどう振る舞えばいいのか(写真:metamorworks/Shutterstock.com

会社で「おじさん」といえば何かと邪魔者扱いされていることが多いかと思います。メディアでは、定年再雇用で会社に残った“ベテラン”人材との付き合い方に悩んでいるといった記事も目につきます。一方で、中には年下の部下からありがたがられる人も増えています。違いはどこにあるのでしょうか?自分より若い世代の管理職に伴走し、年上部下として貴重な戦力となる。そんなミドル・シニア人材になるためのポイントは4つの「S」に集約できます。

(徳岡 晃一郎:多摩大学大学院名誉教授、株式会社ライフシフトCEO)

「お荷物」にならないための4つのスキル

 人生100年時代と言われて久しくなりました。元気であり続けるには、体力が欠かせません。基礎体力を高めるために、ウォーキングや軽い運動などが推奨されていますね。キャリアも同様に体力が不可欠です。

 私は、ミドル・シニア人材について、ひとつの組織に長くいることで様々なことを経験し、後輩に伝えられるスキルを身につける「しがみつき」社員になることを提唱しています。

 前回の記事「『しがみつき社員』は会社の宝、年下上司と年上部下の『青銀共創』で成長する」で詳しくお話ししたように、会議だけ出席し生産性が低く、役に立たない「お荷物」社員ではなく、長年蓄積したノウハウや広い人脈という暗黙知の鉱脈を生かしている人材を「しがみつき」社員と呼んでいます。以下の本文は、その前提でお読みいただければと思います。

 その上で、私はこれからの日本に必要なマネジメントは「青銀共創(せいぎんきょうそう)」だと考えています。30歳代の若い中核人材や少子化でどんどん減っていくZ世代をはじめとする若手(青年の「青」)と、その世代より年上だけれども部下となる年配者(シルバーの「銀」)が手を携えて組織を運営したり作業したりしていくことで、日本の課題である高齢化・人口減少による経済の落ち込みを食いとどめ、イノベーション創出を支えていくのです。

 では、ミドル・シニアがお荷物にならずに、しがみつき社員でいられるために必要なスキルとは何でしょうか?

 私は「4つのS」に集約されると思っています。それは次の通りです。