羽生結弦選手(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 北京五輪を控える中国も羽生人気を無視するわけにはいかないようだ。フィギュアスケート男子の羽生結弦が全日本選手権男子フリーで前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に果敢に挑戦。失敗したものの国際スケート連盟(ISU)非公認ながら今季世界最高を上回る322・36点の高スコアをマークし、2位以下に大差を付けて2年連続6度目となる優勝をつかみ、北京五輪出場も決めた。

北京五輪、日本のファンは応援に行けないが、中国にも大勢の羽生ファンが

 来年2月に開催される北京冬季五輪は羽生にとって五輪3連覇がかかっている。27歳の年齢面を考えると今大会が最後の五輪となる可能性も高い。その流れもあって羽生の“国内ラストリンク”となる可能性もささやかれた全日本選手権の会場・さいたまスーパーアリーナには大勢のファンが12月24日の男子SP(ショートプログラム)、12月26日の男子フリーが行われた両日に押し寄せ、熱い眼差しを向けていた。

 しかしながら羽生自身が「4回転半を決めたい思いが一番強い。成功した上で優勝を目指す。あと1カ月、詰めて詰めて練習する」と熱っぽく語るように、史上初のクワッドアクセル成功と3連覇をかけた集大成とも言える北京五輪の戦いを、日本の羽生ファンは残念なことに現地で応援することができない。北京五輪は新型コロナウイルス対策のため、海外からの観客を受け入れないことが国際オリンピック委員会(IOC)からすでに発表されているからだ。

 ただ、中国の羽生人気も日本に負けず劣らず凄まじいものがあり、五輪の舞台での演技当日も羽生にとって北京は“アウェー”ではなく“ホーム”となって追い風となりそうだ。中国国営放送の「中国中央電視台」など主要メディアでも羽生に関する話題は連日取り上げられており、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で「羽生結弦」がトレンド入りすることも珍しくない。