安心して旅ができるのはいつになることか・・・。右往左往するGoToキャンペーンには誰しもあきれ顔だ(写真はポリネシア)

 すでに広く報道されている通り、12月14日、政府のGoToトラベルキャンペーン対策本部は「年末年始にあたる12月28日から2021年1月11日までの間、GoToトラベルキャンペーンの利用を全国で一斉に停止する」と発表、全国が混乱しています。

 私は前日の12月13日、連日遅くまで残務が続くので、大学の真ん前にある文部科学省の宿舎に部屋を取って休むことにしたのですが、「GoTo料金」の部屋はその時点でも取ることができませんでした。

 フロント担当者の方も「この先どうなるのかよく分からないんですよね」と言っていたのですが・・・。

 下馬評では「一部感染拡大エリアの一時停止でGoToトラベル事業を継続か?」とみられていたのが、「全国で一斉停止」という「急変」。

 既にGoToが「一時停止」している大阪、札幌に加え、停止を予想されていた東京と名古屋は、全国一斉に先立って12月27日から停止との報道(その後、広島市も先行停止との報道がありました)。

 本稿の趣旨は、この「急変」そのものが問題であるという一点に尽きます。なぜ方針を180度切り替えるような政策転換ができるのか?

 一因として指摘されるのが、前々日の12月12日に毎日新聞と社会調査研究センターが電話で実施した「世論調査」です。

 内閣不支持率が40%に急落、不支持率が49%と逆転し、「GoToトラベルを中止すべき」という意見も67%に達した。

 つまり世の中の7割方の人が、この政策に反対しているという結果が出、その世論に押されたと見ることもできます。

 このこと自体がはらむ問題を、原理から明らかにしてみましょう。