危機の可能性を国民に知らせるべきだとする声が、かき消される。密室での堂々巡りのやり取りを続ける間に傷口はどんどん大きくなる。

 この間、一部の財閥トップにだけはこっそりと事実が知らされる・・・。

 結局、韓国は、「国家倒産の危機」に直面し、IMF(国際通貨基金)に緊急支援を要請する。ところがこれで一件落着ではない。

IMFからの厳しい要求

 IMFから突きつけられる熾烈な「国家構造改革要求」。

 金利の大幅引き上げ、金融機関の大規模整理、外資規制の大幅緩和、労働者の解雇要件の緩和、不振企業の退出・・・すさまじい内容だった。

 その影にちらつく米国政府の影。同時に進む大統領選挙・・・。

 綱渡りの交渉の結果、1997年12月3日、IMFは韓国を緊急支援することになる。外貨が底を尽きかけていた韓国に550億ドルの資金援助が入った。

 一方で、IMFの厳しい管理下に置かれ、韓国では今もこの日を「国辱の日」と呼ぶ。

 2つ目のストーリーは、雑貨品を製造販売する町工場だ。

 数人の従業員を使って手堅く工場を運営していた経営者にある日、思いも寄らぬ大きな商談が飛び込む。韓国の名門デパートへの製品納入だった。