時短勤務と高い給料は両立できるものだろうか。

 子育て中の女性を中心に「パートタイム(短時間)」という働き方へのニーズは高い。一方で「短時間勤務(以下、時短)」というと、給与が低い仕事しかないというイメージも根強くある。“時短であっても高給”という働き方は実現可能なのだろうか。

 時給3000円以上といった高時給の時短派遣や短時間正社員の仕事を紹介する「スマートキャリア」など、“時短業務=低給”というイメージを覆す人材紹介サービスを立ち上げてきたビースタイル代表取締役会長・三原邦彦(みはら・くにひこ)氏に「時短で高給の可能性」について聞いた(取材・文/小林 麻理)。

出産後にスキルを生かせる「時短」仕事がない

――創業された2002年から、女性の利用者をメインにしたパートタイム型(短時間労働)の人材派遣サービスを展開されていますね。「時短派遣」に取り組んだのはなぜですか。

ビースタイル代表取締役会長・三原邦彦氏。1970年生まれ。芝浦工業大学卒業。1996年インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。2002年にビースタイルを設立し社長に就任。パートタイム型人材派遣事業を開始(現しゅふJOBスタッフィング事業)する。2017年から現職。

三原邦彦氏(以下敬称略) 結婚や出産をするとフルタイムで働くのは難しい、できればそのままのキャリアでパートタイム、という時短で働きたい希望を持つ女性が、当時、数多くいました。しかしそのころ、ホワイトカラー業務において、時短で働ける場所はほとんどありませんでした。

 結局、バリバリのフルタイムで働くか、パートタイマーとしてごく簡単な業務を担うかがスタンダードで、その真ん中がない。そうした中で、結婚や出産を経た多くの女性が“働きたいけど働けない”という状況だったと思います。

 結婚や出産をするとライフスタイルが変わります。その変化に合わせたワークスタイルを、どこの企業も持ち合わせていなかったのです。優秀な女性がその能力を生かして働けないのは、もったいない。そこで私は、「時短」で働きたい結婚・出産後の女性のキャリアを作る事業を志したのです。

――「時短」で働くというスタイルは、一般企業に受け入れてもらえたのでしょうか。