この世の中で一番忙しいのは、働くお母さんでしょう。子供を迎えにいったらご飯、そのあとお風呂に、絵本で寝かしつけ、自分の時間は30分もない。こんなに「時間がない」中で、労働時間で評価されたら、やっていられないと思うのではないでしょうか。

 ただし、「成果」で評価されるというのはシビアです。「労働時間」が評価されるというのは、「労働していればいい」という甘い働き方が許される環境とも言えますから。

ルーチンはRPAで人は1.5倍の仕事ができる

――「時短」だからこそ、高い「生産性」と「成果」が要求されるという面もありますね。

三原 「生産性」を高めるという観点からも、当社ではルーチンワークの自動化を推奨しています。10月1日からはRPA(Robotic Process Automation:業務自動化のテクノロジー)プロジェクトを開始、サービスも提供する予定です。

 たとえば、ある社員が、働いているうちの2時間をPCのルーチンワークに当てていたとします。そのルーチンワークの内容をうちのプロセスプログラマーが聞いて、プログラム化して提供するというものです。そうすれば、これまで2時間かかってた仕事がボタン1発で終わってしまう。

 その空いた2時間を利用して、社員の方はプラスアルファの仕事をすればいいことになります。そうしたことを進めれば、1人で1.5倍もの仕事だってできるようになります。

――AIなどのテクノロジーによって「仕事が奪われる」という視点もありますが、人間しかできない「付加価値」の高い仕事により注力できるという見方もできるということですね。

三原 そうです。働く人一人ひとりに秘書がいるというイメージで、RPAに限らず、今後さまざまなことが自動化の対象になるでしょう。スケジューラーに登録した訪問先の情報をもとに、路線の運行状況や最適な経路、現地の天気を自動で知らせてくれたりなどです。「時短」につながるのはもちろん、本当にやりたいことにもっと没頭できるようになると思います。

(後編へ続く)