多様な働き方を実現するための枠組みとして、労働条件を限定した正社員のあり方が注目されている。
こうしたあり方の1つとして「週4正社員」を推奨し、2011年から自社に導入しているのがドリームサポート代表・安中繁(あんなか・しげる)氏だ。社会保険労務士で『週4正社員のススメ』(経営書院)の著者でもある同氏に、「週4正社員」のメリットや導入の際のポイントを聞いた。
そもそも「週4勤務で正社員」ってアリなのか?
「週4正社員」とはその名のとおり、週に4日のみ勤務する正社員のことである。しかし、そもそも、週4日勤務の社員を正社員と呼んでいいのか? と思われる方もいるかもしれない。
安中氏はそうした疑問について「日本ではフルタイムで働き、残業も休日出勤もいとわず、遠方への転勤にも異を唱えないのが正社員、という固定観念があるように思います。しかし、『正社員』という法律上の定義はなく、週5日フルタイムで働かなければならない、というわけでもありません」と説明する。
たしかに「会社のために無限定で働くのが正社員」というイメージは強い。しかし、こうした従来型の正社員とは違った、限られた労働条件の下で働く正社員がいてもいい、ということである。
実際、政府は働き方改革の1つとして、こうした労働条件を限定した正社員のあり方を推奨している。たとえば、勤務地や職務、勤務時間を限定した正社員だ。「週4正社員」をこの中にあてはめれば、勤務時間を限定した正社員ということになる。さらに、ポイントとなるのが次の2つだ。
(1)1週間に休日が3日あること(週休3日制)
(2)給与水準はフルタイム正社員と原則同等であること(時間差分のみ減額)
ドリームサポートで運用している「週4正社員」制度はこの2つに加えて「週所定労働時間数が通常の社員より短いこと(1日7時間、週28時間)」がポイントとなっている。