ランタン溢れ夜空が絢爛(けんらん)に 春節はもうすぐそこ

春節ムードを盛り上げる中国・西安市の色あざやかなランタン(2018年1月30日撮影、資料写真)。(c)CNS/樑誌強〔AFPBB News

 2月16日から「春節」が始まる。日本では「旧正月」といっているが、中華圏の新年のことだ。英語では "Chinese New Year" という。英文のビジネスメールでは略して "CNY" と書くことも多い。

「春節」といえば、中国人の爆買いシーンが連日のようにテレビ報道されたこともあり、日本でもすでにおなじみの表現になっていることだろう。

 中国や香港、台湾といった東アジアの華人圏だけでなく、シンガポール、マレーシア、タイなどの東南アジアや北米の華人世界、その他、中国文明の影響下にあった韓国やベトナムでも、この日に新年が始まる。ちなみに「春節」のことを韓国では「ソルラル」、ベトナムでは「テト」という。ベトナム戦争で最大の転機となった「テト攻勢」(1968年)の「テト」はベトナム正月の意味だ。

 ところが、歴史的に中国文明の影響を受けてきた国のなかでは、日本だけが「春節」を祝わない国となっている。その意味することは一体何か? 

 今回は、アジアで先頭を切って「近代化」を実行した日本について、暦(カレンダー)という観点から考えてみたい。

東アジア世界では特異な日本

 日本では「新年」は西暦と完全に合わせており、「旧正月」という名称はあってもそれを祝うことはほとんどない。「近代化」イコール「西欧化」とみなした明治新政府が、江戸時代まで使用していた太陰太陽暦を廃止し、完全に太陽暦に転換したからだ。