キリスト暦である西暦が世界で主流になったのは、19世紀に大英帝国が主導した「第2次グローバリゼーション」の結果である。西欧諸国が経済力と軍事力で世界を圧倒したことで、西暦がデファクトスタンダードになったに過ぎない。

 2050年には、世界人口の4分の1がムスリム、すなわちイスラーム教徒になると予測されている。イスラーム世界では現在でもイスラーム暦である「ヒジュラ暦」が使用されている。預言者ムハンマドがメッカでの布教をあきらめて移動した年をヒジュラといい、その年を起点にした暦法である。今年2018年は、イスラーム暦で1439年だ。完全な太陰暦のため太陽暦とのズレが発生し、真夏の酷暑のさなかに断食月であるラマダーンがぶつかってしまうこともある。

 このほか、ユダヤ教徒は「天地創造」を起点とする「ユダヤ暦」を使用しており、今年2018年は、ユダヤ暦で、なんと5778年になる。ただし、ユダヤ暦はイスラーム暦とは異なり、農事暦である太陰太陽暦のため、新年はかならず西暦の9月中になる。収穫の時期が新年の始まりなのだ。

 あまり知られていないが、「仏暦」というものもある。仏教国のタイ王国では西暦も使用されているが、公文書にはすべて仏暦が使用されている。仏暦は西暦とは違って、ブッダの生誕日ではなく入滅日から起算する。ブッダが入滅したのは紀元前543年なので、今年2018年はタイでは仏暦2561年になる(ただし、同じ上座仏教圏であってもミャンマーでは2562年)。

 台湾では、「辛亥革命」を太陽暦換算した1912年1月1日を起点とした「民国暦」が使用されている。今年2018年は民国107年にあたる。

 北朝鮮では、奇しくも同じ1912年を起点とする「主体(チュチェ)暦」が使用されている。金王朝の初代である金日成(キム・イルソン)の生誕年が1912年だからだ。