一方、大西洋を隔てた欧州では、仏大統領選でエマニュエル・マクロンが当選したことから、いったんは右派躍進に歯止めがかかったと安堵。

 しかし、続くドイツの総選挙では、AfD(「ドイツの選択」)がゼロから一挙に94議席を獲得。ナチスが国政に進出してから第1党になるまでわずかか4年だったことまで想起させる。

 しかも、そのナチスと違ってAfDはロシアに親近感を持っているというのだから、話は余計ややこしくなる。

 英国の対EU離婚手続きにも手こずり、あれやこれやで主要国は対ロの取り組みに腰を据える状況にはない。

持久戦に持ち込んだウクライナ問題

 他方で右傾化進行の旧東欧諸国の中でも取り分けポーランドが反ロ姿勢を先鋭化させ、ペンタゴンがそれに乗ずる。どうにも対ロ関係改善の兆しが見えてこないのは米国と変わりないようだ。

 こうした対欧米関係悪化の直接の原因となったウクライナは、今や中東や北朝鮮の問題の陰に全く隠れてしまっている。反ロ政権が続く限り問題解決の糸口は見えないし、その政権も安定しているとは言い難い。

 底を打ったとはいえ過去30年弱で40%も減少したGDP(国内総生産)や、5200万人から3000万人へ減少したとされる(領内に恒常的に住む)国民の数を考えると、いつまで国の体裁が保てるのかの懸念は拭えぬままだ。

 それを分かっているからロシアは持久戦に出ている。ロシアが現状維持策から方針転換を行うとすれば、それは米国がウクライナへの本格的な武器供与を決定した時だろう。

 西がだめなら東に、での対中関係強化では、米国への対抗という共通の基盤が揺るがぬことで、その歩が早まりつつあるようだ。

 一時はロ側の不興を買った、緩慢に過ぎる中国の対ロ投資での動きも、総額1兆円以上にもなるヤマールLNGへの投融資がその突破口になっているかもしれない。