だが、中ロ接近とは言うものの、中国にとっては米国の方がはるかに大きな吸引力を持っている。ロシアにとって米国は眼下の敵だろうが、中国にはかなり先の話である。そのギャップはなかなか埋まらないから、疑心暗鬼のタネは尽きない。

 だから、と言うわけでもないが、ロシアはいくらカネを積まれても中国にとって目障りなインドやベトナムとの友好関係を清算はしないだろうし、できもしまい。

 こうしたロ外交の基軸となる米欧中との関係の中で、ロシアはシリアと北朝鮮の問題に今後も関わっていく。

中東問題も改善どころか波乱含み

 シリアでは、IS(イスラム国)を掃討してバッシャール・ハーフィズ・アル=アサド政権を存続させたことで、ロシアの当面の目的は達せられたと言える。だが、これからどうするのかとなると、米国同様にロシアにも知恵があるわけではない。

 戦闘の鎮静化がせいぜいで、根源的な問題であるアラブの社会・経済諸矛盾の解消などは気が遠くなる話だ。

 差し当たっては、体裁を整えたうえで腕力にものを言わせてその暴発を抑え込むしか手がない。そのためには米国との共闘が必要なのだが、米国はそれに乗ってくる気配を見せない(参考=http://jp.wsj.com/articles/SB12361493489752093919504583528370675935976)。

 シリア問題でますます先鋭化した、イランとサウジ、米国、イスラエルとの対立、トルコとクルドの問題など、話はシリア1国の枠を大きくはみ出してしまい、およそロシアだけの手に負えるものではない。

 その点で、ロシアのシリア介入は既に成功とは言えなくなりつつある。

 米ロの「共同統治」が成り立たないなら、挽回策として中東に冷戦の勢力均衡状態を作るしかなかろう。そこでロシアの安全保障と経済での国益をどう最大化するかが、次の課題になるのではないか。

 シリア問題に比べれば、北朝鮮の問題は直接的には米中朝間のそれであり、ロシアに「公正な仲買人」を買って出るだけの影響力もない。