いつものカフェに上司がいたら仕事ははかどるか?

「カフェでの作業ははかどるか」の心理学(後篇)

2017.04.21(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

請園 カフェで自分の周りに座っているのが見知らぬ客だけという状況よりも、仕事の評価者である上司も座っているほうが、社会的促進はより生じやすくなります。「身の回りに仕事の評価者である上司がいて、自分の仕事を見られている」という状況においては、そうでない状況と比べて、仕事のはかどり方で有意差があることが分かっています。

 上司ほどではありませんが、同僚や部下などが身の回りにいる状況でも、社会的促進は生じやすくなります。会社の職場に上司や仕事仲間がいるという状況は、それなりに意味があるといえます。

 ただし、人によっては、身の回りに上司がいると、社会的促進でなく社会的抑制がかかってしまい、仕事がはかどらなくなる恐れもあります。「上司が見ているから頑張ろう」と自己呈示欲が高まって作業が進む人もいれば、「上司に見られて嫌だな」と作業が進まなくなる人もいますから。他者の存在の影響が高いか低いか、また促進にはたらくか抑制にはたらくかには、個人差があるのです。

ざっと読みならカフェで、精読なら一人きりで

――ご自身は、カフェなどの人のいる場での仕事で、心理学の知見をどのように生かしていますか?

請園 もともと私自身はカフェでの作業ははかどると感じていたため、そうした場所で論文を読むような作業をしていました。

 社会的促進の研究を進めることで、ざっと読みものを読むというときにはカフェなどの場で行い、深く思考するなど精読が必要なときには一人きりになれる場で行う、といった環境の使い分けは意識するようになりました。

 また、何かの文書を作るときも、骨子などを考えるときには一人きりの場で行い、あとは書いていくだけという段階になったらカフェなどの場で作業するといったことも意識しています。

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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