いつものカフェに上司がいたら仕事ははかどるか?

「カフェでの作業ははかどるか」の心理学(後篇)

2017.04.21(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

請園 どのくらいの時間、持続するかはよく分かっていません。私の考えでは、おそらくそう長くは続かないと思います。たとえば、2時間にわたって促進がかかり続けるのは考えづらいですね。

――どうしてですか?

請園 社会的促進が生じているときには、覚醒度が高くなっていると説明されますが、覚醒度がずっと高いままという状況は維持されづらいからです。

――コーヒーのカフェインで覚醒度を上げ続けることはできないのでしょうか?

請園 カフェインを摂取した人の作業効率が上がるかについては、過去に研究がされています。でも、その効果がどのくらい維持されるかについては不明瞭です。

 一般的に、覚醒度を高めるには、カフェイン摂取より運動をするほうが効果的と考えられます。カフェのような他人のいる場での社会的促進と組み合わせて覚醒度を高めることを考えれば、運動後にカフェで作業をすればよい、ということになります。ただし、そのときの覚醒度の高さも、そう長続きはしないと思います。

――カフェで社会的促進によって高い覚醒度を保って仕事をはかどらせるには、どうしたらよいでしょうか?

請園 1軒目で作業をして時間が経ったら、別のカフェに“はしご”すれば、身の回りの人たちは別の人になるので、社会的促進の効果を再び得られるようになります。これは、ラットを使った実験で分かってきたことですが、身の回りにいる者が同一だと、促進効果がだんだん消えていく可能性が示唆されています。だから別の人のいる状況に移るとよいわけです。

「カフェに上司」でさらに作業のはかどり方に変化

――社会的促進をさらに強めるような他の方法は考えられますか?

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る

1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


食の万華鏡

食の安全に対して国民の関心が高まっている。今後、安全で美味しい食の供給国としての日本を考えた時にもこの問題は重要になる。食の安全の話題を中心に、食トレンド、食品マーケットなど、食にまつわる様々なテーマを取り上げる。