だが、金融機関が、本当に新規支援に応じられるのか。

 2015年秋に支援した際、政府は「追加支援はない」と言い切っていたのだ。とはいえ、支援しないわけにもいかない。

 造船は、関連企業も多く、雇用への影響も大きい。地域経済にとっても大きな存在で、大統領選挙の直前という時期に、荒療治もしにくい。そういっている間に、時間はどんどん経過する…。

中国人観光客激減

 3月16日、昼休みにソウルの繁華街「明洞(ミョンドン)」を歩いてみたが、数週間まで団体で闊歩していた中国人観光客が、激減してしまったことがすぐに分かる。

 韓国メディアによると、地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD =サード)の韓国配備に反発して、中国ではこの日から韓国への団体旅行が「禁止になった」という。

 観光関連企業の役員に聞くと、「中国の駐在員に聞くと、観光目的の韓国行きはこれまで中国の旅行会社が代行申請、取得していたが、これがパタリと止まった。関係当局の指示があったようだ」と語る。

 韓国メディアは、特に済州(チェジュ)島向け観光が大打撃を受けると報じている。

 このほかに、中国に進出しているロッテのスーパーが防災、安全上の理由で営業停止になる例が続出している。さらに韓国からの化粧品輸出の手続きの時間がかかったり、品質問題で手続きを保留されるなどあちこちで問題が続出している。

 国内消費が低迷する中で、「中国人団体観光客」は韓国の内需を下支えしてきた。また、韓国のとって中国は最大の輸出仕向け国でもある。

 産業界からは「外交や安全保障で毅然とした態度をとることは必要だが、被害を受ける業界への対策も急務だ。いまの政府も、次期有力大統領候補も、いまひとつはっきりしない姿勢だ」と嘆く。

 大統領選挙まで2か月を切った。

 テレビ討論会が始まるなど各党の候補者選びは熱を帯びているが、誰が当選しても「経済政策」が待ったなしの難題として待ち受けている。

 いや、それ以前に、すぐに手を打つべき問題も少なくない。