韓国経済の規模が大きくなったこともあるが、政権交代のたびに目に見えて成長率は鈍化している。朴槿恵政権では、ついに2%台になってしまった。

 これだけ成長率が下がると、これまでのやり方では雇用が好転することはないだろう。2017年3月15日、韓国の統計庁は2月の雇用統計を発表した。失業者数は135万人で、IMF(国際通貨基金)危機の影響が残っていた1999年8月(136万人)以来の高水準だった。

 特に、青年(15歳~29歳)の失業率が12.3%で、いまの雇用統計が発表になった1999年以降では2016年2月(12.5%)に次ぐ高さになってしまった。

 本格的な高齢化社会の到来に備えて増加が見込まれる社会福祉予算を考えても、深刻な状態だ。

サムスン電子の株価は最高値を更新中

 「韓国経済で好調なのはサムスン電子の株価くらいだ」

 3月16日に会ったある大企業役員はこうため息をつく。確かにサムスン電子の株価の勢いは凄まじい。オーナーである李在鎔(イ・ジェヨン=1968年生)副会長が逮捕、拘束されているというのに、株価はこのところずっと上昇している。

 わずか1か月前の2月15日は188万6000ウォン(1円=10ウォン)だったが、朴槿恵氏の弾劾審判が大詰めを迎えている最中もずっと上昇を続けた。3月16日午前には、過去最高値を更新して一時210万ウォンを突破した。時価総額も300兆ウォンに迫っている。

 韓国の証券市場でサムスン電子の時価総額は上場企業全体の5分の1から4分の1ほどを占めるため総合株価指数も上昇を続けている。半導体事業が絶好調で当面は高収益が期待できるとの見方が有力なためだ。

 だが、ほかにこれといって好材料が見えないことも確かだ。

今すぐに手を打つべき課題

 5月9日の大統領選挙を前に、「今すぐに手を打つべき課題も多い」(閣僚経験者)。

 まずは金利だ。米連邦準備理事会(FRB)は3月15日、米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2016年12月以来、3か月ぶりの利上げを決めた。利上げ幅は0.25%だ。同時に公表した政策金利見通しでは、2017年中にさらに2回の追加利上げを見込んでいる。

 米国の誘導目標は、年0.50~0.75%から0.75~1.00%になった。

 韓国銀行(中央銀行)は基準金利を、1.25%で8か月間維持しているが、米国で年内に2回の利上げがあると、「米韓金利逆転」になる。そうなると、ウォン相場や株価にも大きな影響が出る恐れがある。