サウジアラビアはなぜ原油の増産を続けるのか

原油価格下落を穴埋め、過去最大水準に達する可能性も

2015.04.24(金) 藤 和彦
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シェールオイル生産に「急ブレーキ」

 一方、世界の原油価格は3月に付けた安値から約30%上昇した。これは、世界の原油価格下落を主導していたシェールオイルの生産に「急ブレーキ」がかかったことが主要因である。

 米国内の石油掘削リグ稼働数は4月17日時点で前週比26基減の734基と2010年以来の低水準になり、1987年以来過去最長の19週連続の減少を記録した。州別に見るとテキサス州が15基減の411基と最大の落ち込みを示し、稼働数は2009年以来の低水準となった。

 石油受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングで、4月13日の週後半の原油在庫が減少したとの情報が広まったこともあり、4月13日の週の原油価格の上昇幅は約4年ぶりの大幅高となった。

 米エネルギー省は、同国のシェールオイル生産が5月に減少し、原油生産全体も6月に減り始めるとの見通しを示したため、ヘッジファンドによる原油価格上昇を見込む買い越しは8カ月ぶりの高水準に増加した。昨年後半から続いていたドル高が米国の利上げ観測によって一服したことも、原油価格上昇に一役買っている。リーマン・ショック後の原油価格は6カ月間急落した後、3カ月間の揉み合いを経て再び上昇基調を見せており、今後原油価格は反転するとの見方も増えてきている。

サウジはなぜ原油増産の姿勢を取り続けているのか

 とはいえ、世界の原油市場は依然として構造的に需給が緩みやすい状況にあり、「価格の反発は短期的な調整にとどまる」との見方が一般的である。このような微妙な時期に市場シェアを回復したサウジアラビアが、なぜ原油増産の姿勢を取り続けているのだろうか。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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