「原油価格急落がなぜ次のサブプライム危機のきっかけとなり得るのか」

 12月3日の米ニュースサイト「ビジネスインサイダー」は上記表題の記事の中で、「原油価格急落による米国のジャンク債市場の崩壊が次の金融危機の引き金となる」との警告を発した。

 ジャンク債とは、低格付けのデフォルトリスクの高い債券のことであり、その投資の性格はハイリスク・ハイリターンである(「ジャンク」とはガラクタや紙くずという意味)。

 1970年代の米国で、将来のキャッシュフローに焦点を絞ることにより投資リスク判断の精度を上げる手法が確立されたことから、「ジャンク債」市場は徐々に成長し、30年かけてその規模は1兆ドルにまで達した。

 1980年代に「ジャンク債の帝王」と呼ばれ、最近再び脚光を浴びているマイケル・ミルケン氏は、「1970年から2000年にかけて『ジャンク』企業は6200万人の雇用増をもたらした」として、ジャンク債のことを「繁栄の方程式」と称賛している。

 ジャンク債のデフォルト率は、リーマンショック直後には10%を超えていたが、ここ数年は2%という低いデフォルト率が続いている。

 これに目をつけたのがリーマンショック後の低金利で運用に苦しむ投資家たちだった。高リスクだが利回りの高いジャンク債が飛ぶように売れるようになり、「ジャンク債でも危険はない」との見方が定着しつつある。リスク分散化のための「CBO」()も開発されたため、ジャンク債市場の規模は直近の7年間で2倍となり、2兆ドルに急膨張したという。

)「CBO」とは“Collateralized Bond Obligation”の略称で「社債担保証券」と訳されている。リスクの高い債券を束ね、破綻時に優先返済するものを高い格付けにし、破綻したら返済しないものを低い格付けにするなど、格付けごとに輪切りにした債券である。今年の年間販売額は史上最多の1000億ドルに達すると言われている。サブプライムローンの場合、CDO(Collateralized Debt Obligation:債務担保証券)が多数組成されたことが金融危機の要因となったが、CBOの組成に関与する金融機関は「リーマンショック前より担保審査が厳格化したのでバブルではなく問題はない」としている。