「知人の藤和彦氏の記事を先月紹介したが、本日の地震が該当するだろう」

 11月22日、「長野県北部地震」(白馬村が震源、地震の規模はマグニチュード6.7、最大震度6弱)が発生した。地震発生直後の午後10時30分過ぎ、筆者がかねてから尊敬する先輩(金融関連)が知り合いに送ったメールである(筆者にも同時送信された)。

 筆者は10月23日に当コラムで「『信濃川地震帯』が危ない 御嶽山噴火後も続く危機の連鎖」と題する論考を執筆し、「今後数カ月の間に、長野県から新潟県にわたって存在する『信濃川地震帯』でマグニチュード6~7クラスの地震の発生が予測される」とする角田史雄 埼玉大学名誉教授からの「警告」を紹介した。

 11月22日の地震発生は、まさに角田氏の予測が的中したわけである。今後の展開が気になり、早速電話で問い合わせをしたところ、「今後、上越地域(新潟県を4つに分けた南西部)での地震発生が心配だ。地震を引き起こす熱エネルギーは放射状に伝搬するので、これまで地震があまり発生していない関東地方北部も要注意である」とのことであった。

火山の噴火地点や地震が起こる場所は不動である

 角田氏は「プレートテクトニクス理論」()に代わる「熱機関説」で地震や火山の発生メカニズムの解明に尽力されている(「2020年前後に首都圏南部を直撃? 直下型地震襲来への備えを急げ」参照)。

)地震は地球表面を覆うプレート(厚さ約100キロメートルの硬い板)の移動で起こるとする理論。1969年に日本で紹介されたが、小松左京氏のSF小説「日本沈没」(1975年)がベストセラーになると他の理論(角田氏が提唱する理論の元となる熱機関説など)を駆逐して、地震分野における「金科玉条」となった。1976年に、この理論に基づいて東海沖地震の危険性が指摘されたが、40年近く経っても地震は発生していない。