資源の宝庫・日本、知恵を使えばコストは下がる

「びっくりドンキー」のアレフが描く外食産業の未来(2)

2014.04.08(火) 川嶋 諭
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 規制が緩いからと対策を後回しにしていては、一流の企業とは言えない。コストがかかるから知恵も絞れる。知恵を絞る人が多く、それを絞る時間が長ければ長いほど、企業には知恵を絞った成果が資産として蓄積されていく。

 環境対応を後回しにする企業と率先して取り組む企業の間には、経営力でいつの間にか大きな差が生まれることになるのだ。

地下には使い切れないほどの熱資源が眠っている

 アレフの細かい工夫はほかにもいっぱいある。例えば前回、1年を通して約10度と安定した地下の温度を利用して、冬には暖房や蒸気発生用の熱源に、夏には冷房や冷蔵庫を冷やすための熱源としていることを紹介した。

 ここにも同社らしい工夫がある。アレフ北海道工場では、地下60メートルまで穴を掘って熱交換用冷媒を通すためのパイプを打ち込んでいる。地熱を利用して効果を上げるには理論上、そのパイプは60本必要になるという。

 しかし、実際に工場の地下に打ち込んでいるパイプは20本だけ。

 「コストが合わないからです」と嶋貫さんは言う。地熱を利用する技術は欧州が先行しているが、欧州の地盤は固く地下水脈もあまりないことから、掘削がやりやすくコストがかからないのだという。

 地下水が多く地盤も複雑な日本では、掘削する産業も十分に発展していないこともあって、例えば地熱の利用が進んでいるスイスなどに比べると掘削コストは20倍以上もかかる場合がある。そのため、60本もパイプを地下に打ち込むとコストがかかりすぎてしまう。

 生ごみ処理と同じように、掘削技術を工夫してコストを下げていくという方法も考えられるが、どうしても時間がかかりそうだった。そこで頭をひねったのが、地下水があって掘削が難しいなら地下水を利用したらどうか、ということだった。

 地下水も温度は安定している。この水をくみ上げて熱源として利用すれば地熱を使うのと同じような効果が期待できる。しかも、熱を利用したあとの水も再利用することができ一石二鳥となる。

 年間を通して約10度と安定している地下水をヒートポンプによってさらに冷やし、工場内の冷蔵庫の熱源として使う。このときヒートポンプで温められた排水は地熱を使った別のヒートポンプやボイラーの排熱でさらに温め、約60度のお湯にして工場内で利用する。

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早稲田大学理工学部卒、同大学院修了。日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社。1988年に「日経ビジネス」に異動後20年間在籍した。副編集長、米シリコンバレー支局長、編集部長、日経ビジネスオンライン編集長、発行人を務めた後、2008年に日本ビジネスプレス設立。

地球の明日

世界各地で、経済も環境も政治も大きく変化し始めた。私たちの地球は歴史的に大きな転換点を迎えていると言っていい。しかし、その現象を近視眼的に見ては変化の本質はとらえられない。日本を代表する有識者が、歴史的、哲学的な視点から地球上で起こっている変化の本質を考察する。

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