資源の宝庫・日本、知恵を使えばコストは下がる

「びっくりドンキー」のアレフが描く外食産業の未来(2)

2014.04.08(火) 川嶋 諭
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 今でこそ環境対策はコスト面でも企業経営に貢献しているが、取り組み始めた当初は、どう計算しても大幅な持ち出しだった。

 例えば、アレフが一番最初に取り組んだのはお店から出る食べ残しなどの生ごみのリサイクル。1997年には各店舗に生ごみ粉砕処理機を導入し始めたものの、当時の生ごみ処理機は大きくて価格も高かった。

知恵を絞って機械を安く小型に

 「最初に導入した機械は1台600万円もしたんですよ。投資コストを回収できるような状況ではありませんでした。おまけに図体が大きくてお店の中に設置するのは大変でした」と嶋貫さんは当時を振り返る。

 多くの企業はこの段階で先に進むのをやめてしまうかもしれない。しかし、創業者の強い意志が働いている同社では、後戻りは考えられなかった。嶋貫さんたちは知恵を絞り出すことになった。

 そこからは細かい改良の連続である。例えば、生ごみ処理では毎日出る生ごみを約2カ月間かけて堆肥化していくが、2カ月かかるとどうしても機械が大きくなり運転コストもかかってしまう。

 そこで例えば生ごみの発酵を促す温風ヒーターを導入するなどの工夫を加えて、機械を小型化しコストを下げていった。

 メーカーと一緒になって改良を重ねた結果、今では1台350万円ほどに機械の価格を下げることができた。もちろん、全国の店舗に導入していくので発注する台数が増え、その分のコスト低減効果も大きかった。

 生ごみを資源化したことで、店舗から出るごみは約40%減った。その結果、ごみを処理業者に収集してもらう回数が減り、ごみ処理にかかる費用も減って、生ごみの堆肥化にかけたコストは何とか吸収できるまでになった。

 しかし、コストが吸収できたのはごみ焼却費用の高い首都圏でのこと。ごみ焼却費用が安い地方では堆肥化するよりも焼却処分した方がまだコストは安い。「まだ知恵を絞らなければなりません」と嶋貫さん。でも今の段階ではこう考えるようにしているという。

 「首都圏でごみ焼却費が高いのは地方自治体が環境に対して厳しく規制をしているから。地方が安いのは環境への取り組みが遅れているためであり、いずれは首都圏と同じように環境規制が厳しくなる。だとすれば、最も厳しい規制に合わせるのは企業として当然の行為である」

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早稲田大学理工学部卒、同大学院修了。日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社。1988年に「日経ビジネス」に異動後20年間在籍した。副編集長、米シリコンバレー支局長、編集部長、日経ビジネスオンライン編集長、発行人を務めた後、2008年に日本ビジネスプレス設立。

地球の明日

世界各地で、経済も環境も政治も大きく変化し始めた。私たちの地球は歴史的に大きな転換点を迎えていると言っていい。しかし、その現象を近視眼的に見ては変化の本質はとらえられない。日本を代表する有識者が、歴史的、哲学的な視点から地球上で起こっている変化の本質を考察する。

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