野村不動産ホールディングス代表取締役社長 グループCEOの新井聡氏(撮影:宮崎幸訓)
今年(2025年)9月、東京・港区芝浦で大型複合開発ビル「BLUE FRONT SHIBAURA」の1棟目「TOWER S」が開業した。この事業は野村不動産と東日本旅客鉄道が共同で推進しているが、野村不動産にとっては過去最大規模の開発プロジェクトとなる。数ある大型複合開発ビルの中で、BLUE FRONT SHIBAURAの独自性はどこにあるのか。また、分譲マンションシリーズの「PROUD(プラウド)」で進めてきた住宅事業の現在と今後の展開は。グループ全体で描く成長戦略と将来像について、野村不動産ホールディングスの新井聡社長兼グループCEOに話を聞いた。
「東芝の街」から変貌を遂げる芝浦
──さまざまな東京ベイエリアの再開発の中で、「BLUE FRONT SHIBAURA(以下BFS)」は眼下の運河に船着場があるのが特徴的ですね。
新井聡氏(以下敬称略) 晴海~芝浦・日の出区間において、舟運サービスの「BLUE FERRY」を週3日4便ずつ運航しています。船着場と、都心で働くビジネスパーソンが多く住まう晴海エリア界隈を結ぶ、新たな交通インフラという位置付けです。
芝浦・日の出と晴海を結ぶ「BLUE FERRY」(写真提供:野村不動産ホールディングス)
現在、われわれの専用船も建造してもらっているところです。具体的にどのような使い方をするか、まだ決めていませんが、豊洲市場や羽田空港などへのアクセスも可能ですし、BFS上層階のホテル(フェアモント東京)にご宿泊のお客さま、あるいはわれわれのビジネスのお客さまにも乗船していただきたいと考えています。
来街者もオフィスワーカーも、より心地よく過ごしていただくための、1つのツールとして船があると思っています。
──BFSはTOWER Sが先行開業し、隣接するTOWER Nは2030年度に竣工予定です。改めてこの高層ツインタワー再開発の意義は何ですか。
BLUE FRONT SHIBAURA TOWER Sの外観(写真提供:野村不動産ホールディングス)






