
日本のGDP(国内総生産)の実に22%を占める、建設・不動産・住宅の3業界。日本経済を支えるこれら巨大産業が、今「変革のタイミング」を迎えている。本連載では『「建設業界」×「不動産業界」×「住宅業界」Innovate for Redesign』(篠原健太著/プレジデント社)から、内容の一部を抜粋・再編集。異業種に比べてDXやGXの面で後れを取る3つの業界に求められている、産業構造の「リデザイン」について考える。
今回は、不動産の付加価値を高めるために注目すべき利用者の潜在的なニーズを紹介。また、都心部だけではなく地方都市でも見られるようになった「コンパクトシティ構想」を切り口に、不動産業界が直面する課題を探る。
ソフトとハードの両面で付加価値を高め、新しい出口戦略を探索

当社が実施した「賃貸レジデンスに関するニーズ調査アンケート」があります(下図9)。
これは増加傾向にある、都内のDINKs世帯を対象にした賃貸レジデンスにおけるニーズの深掘りを目的にしたものです。それによると、次のようなことが浮かび上がりました。
- 「ペット対応」は一定ニーズが存在するものの世代間によってギャップが存在する
- 「サウナ付きマンション」については賃料への跳ね返りの期待は低いと思われる
- 一方で、「浴室乾燥機」や「複数層ガラス(防音)」は底堅く人気となっている
- 「20~35歳未満」層では、IoTへのニーズが高いことがわかる
図9 DINKs「世代別」マンションに求める設備

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